株式会社のメリットとは

会社設立を考える際、株式会社にするか合同会社にするか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
会社法の改正により、一昔前と比べると会社設立は簡単にできるようになりました。
会社設立に合同会社を選ぶのも良いのですが、株式会社には株式会社特有のメリットがあるのをご存知でしょうか。
そこで株式会社のメリットについて取り上げます。

まず1つ目のメリットは、赤字繰越期間が長いことです。
会社設立を果たしていよいよ事業開始といきたい所ですが、余程の運が無い限り最初から黒字を出すのは難しいです。
「赤字覚悟の経営」は、ある意味株式会社のデメリットかもしれません。

例えば会社設立1年目に3000万円の赤字を出し、2年目に1000万円の黒字を出したとしましょう。
1年目は赤字になってしまっているので、法人税はかかりません。
法人税はあくまでも利益にかかる税金なので、赤字ならば支払う必要はないのです。
しかし2年目は3000万円の利益を出しているので、3000万円分の法人税は支払わなければいけません。
でも2年目に出した黒字の1000万円は、1年目の3000万円の赤字と相殺して”利益が出なかった”ことにすることができます。
赤字繰越は法人ではなく個人でもできますが、期間が違います。
個人では3年に対し、法人では9年の繰越が認められています。
ただし繰越が認められているからとは言え、赤字を出すのはなるべく避けたい所です。

2つ目の株式会社のメリットは、有限責任になっていることです。
有限責任になっているのは株式会社の他に、合同会社も含まれます。
こちらもなるべく避けたいものですが、会社の事情が上手く行かず倒産してしまう場合も十分に考えられます。
もしも倒産してしまった場合、お金を貸してくれた人に対して責任を負わなければいけません。
個人事業は無限責任となっているので、事業で背負った借金は全額返済する必要があります。
万が一払えなくなったとしても、お金を貸した人にとっては関係ありません。
返せなくなったら、家財道具を売り払ってでも返済しなければならないのです。
でも株式会社(合同会社)は有限責任になっており、出資した分だけの責任で済みます。
ただし借金の連帯保証になっているのならば、有限責任でなく実質的に無限責任となります。
貸したお金は返すのは、世の常です。

3つ目のメリットは、社会的信用度の高さです。
株式会社のメリットは他にもまだまだ沢山ありますが、社会的信用度の高さは1番大きいメリットと言えます。
先に合同会社を設立したものの、社会的信用度の高さに惹かれ、株式会社に変更した企業は少なくありません。

会社設立そのものは簡単にできるようになったものの、「誰でも簡単にお手軽に会社設立は可能」と言えないのが正直な所です。
ただどういう会社形態であっても設立するには、法務局へ登記申請を行う必要があります。
株式会社の登記申請は他の会社と比べると手間がかかり、時間もお金もかかります。
また登記申請時に出した情報は、登記事項証明書に記載されます。
登記事項証明書は法務局へ申請すれば、誰でも簡単に見ることが可能です。
取引をする際に何をしているのか分からない会社よりも、何をしているのかハッキリしている会社のほうが、信用度は高いです。
信用度が高くなると取引もスムーズに進み、事業も軌道に乗りやすくなります。

信用度が高くなると、資金調達も思いのままです。
事業を手がけるにあたり、資金は絶対に欠かせないものです。
資金調達方法は色々ありますが、手堅い所で言えば銀行からの融資です。
しかし「資金が欲しいです」と銀行に言っても、すぐに融資を受けられる訳ではありません。
銀行側としては融資した分は、後できっちり返してくれなければ困ることになります。
本当に返してくれるかどうかを見極めるために審査を行う訳ですが、審査の基準になっているのが「信頼度の高さ」です。
個人事業の場合、ものすごく事業が軌道に乗って成果を出しているのならば融資は可能になるでしょう。
ただ事業を始めたばかりで成果らしい成果を挙げてないとなると、融資を受けるのは難しくなります。
でも株式会社であれば、「株式会社」という時点で信頼度は勝ち得たのも同然です。
銀行からの融資も受けやすくなり、資金調達に苦労しません。
また株式会社の場合は「株式」を発行することにより、投資家からも資金を集めることが可能です。

信用度の高さは、人材にも影響します。
事業拡大と共に人材確保も求められます。
しかし信用度が低くなっている場合、求人を出しても優秀な人材は集まってくれません。
安心して働けない所で好き好んで働きたいと思う人は、世界中探しても見つからないでしょう。
でも信用度が高い株式会社となると、安心して働けます。
優秀な人材も集まりやすくなり、事業拡大にもつながります。

株式会社のメリットは、事業を行う上で大きな助けとなります。
ただし株式会社にはメリットだけでなく、デメリットもあるので要注意です。
メリットばかりに気を取られていると、取り返しのつかないことになります。